ROMとは、Read Only Memoryの略称です。読み込み専用のメモリーの事で、この中に車を制御する為のコンピュータで使用するプログラムやデータが入っています。
プログラムの部分は、バイナリというコンピュータにしか分からない形式で入っていますので、人が見ても全く理解することは出来ないです(逆アセンブルという方法を取ると人間が見て分かるようにする事が出来ます)。
データの部分は、16進数で入っています。これは一見すると意味不明な数字が並んでいるようにしか見えないですが、10進数に変換したり補正値を外したりすると、人が見てよく分かるようになります。 このデータ部分には、燃料マップや点火時期マップがあり、その数値を基にコンピュータは噴射するガソリンの量や点火時期を変更したりしています。このマップのデータを変更する事で燃料の噴射量や点火時期を好きなように変更する事が出来ます。 燃料マップのデータの変更はキャブのジェットを変更する事、点火時期マップのデータを変更する事はデスビを回す事と同じと言えます。
でも、燃料マップのデータを変更してもインジェクターの能力を超えてガソリンを噴射する事は出来ません。
機材
- パソコン
データを編集したり、データをROM WRITERと接続する為に使用します。一般的にはWindows 95(98)を使用する為にCPUがPentiumII等のパソコンを使用していると思いますが、ROM TUNEするのにはDOSが稼働すれば大丈夫ですので、今となっては使い道がなくて埃を被って放置されているようなパソコンで問題はありません。 Macしか持っていないという人でも、中古屋さんに行って格安のパソコンを買ってくるか、友達に要らないパソコンを貰ってくればいいでしょう。 - Rom Writer
ROMにデータを書き込む為の機械です。高価な機械もありますが、ROM TUNEにしか使用しない私たちのようなプライベータには2～3万円で購入出来るもので十分です。私のは友人から譲って頂いたのですが、EITECのSmart-Writer SW-1という物です。このROM WRITERとパソコンのRS-232Cコネクタとケーブルで接続して使用します。パソコン上ではCOM1とかCOM2と呼ばれているのが、RS-232Cコネクタになります。
16進数とは
普段私たちが使用しているのは10進数です。これは１?９までの数字を使用して数を数えます。1から1ずつ足していくと9の次は位が一つ上がって10となります。
これに対して16進数は、１～Fまでの数字を使用して数を数え、A～Fは以下のようになっています。
1（1） 2（2） 3（3） 4（4） 5（5） 6（6） 7（7） 8（8） 9（9） A（10） B（11） C（12） D（13） E（14） F（15）
1から1ずつ足していくとF(15)の次は位が一つ上がって10(16)となります。※（）内の数字は10進数
簡単な計算の仕方は、
10進数の15は10（の位）×1＋1（の位）×5＝15
16進数の15は16（の位）×1＋1（の位）×5＝21
とすればわかりやすいと思います。いちいち計算するのが面倒であれば、関数電卓やMicrosoft Excelを使用して計算すればいいと思います。また、ROMデータを編集するソフトの中には、16進数←→10進数を変換して表示してくれるものもあります。
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